KANEKOのジェフ雑談

ジェフを定点観測。戦術的だったり、スポーツ科学的だったり、叙情的だったり。

【ジェフ批評】2022第11〜13節vs東京ヴェルディ・レノファ山口・大分トリニータ

 

GWに入り、Jリーグは連戦真っ只中です。一方、大学はなぜカレンダー通りの休みを与えてくれないのでしょうか。課題に追われているKANEKOです。今回は、東京V戦から大分戦までの三試合について、三つの観点から書いていこうと思います。

 

一つ目は、ピッチ上の現象について。

二つ目は、WEリーグとの共催について。

最後に、また起きてしまったピッチ外でのサポーターと選手の問題についてです。

 

三試合を通して見えたピッチ上の現象

vs東京V

大宮戦ではチアゴ(と呼ばれたいとツイッターで目にしたので。)を先発起用した尹監督ですが、この試合では櫻川を起用。左WBには秋山ではなく末吉をスタートから起用しました。後半に後方からの見事な速攻で最終ラインを破った高木が加入後初ゴールを決め先制に成功しましたが、終盤、佐藤凌我にゴールを許しドローに終わってしまいました。この試合でも課題はいくつか見えたのですが、気になったのは失点シーン。前半にも左サイドから止まらずに動き続けた佐藤に決定機を作られてしまいましたが、見た目は違えど同じシーンだったように感じます。低い位置に降りたりサイドに流れるFWに対して、対応が曖昧になった結果生まれたシーンだと思います。更に言えば、横に動く相手に滅法弱い。最終ラインで連携が取りきれずに作られた二つのシーンだったでしょう。前半のシーンを踏まえて、各選手のタスクが整理されていたのかは気になるところでした。

 

vs山口

前節良いシーンも見せた櫻川でしたが、この試合ではベンチ外に。CFについては、単に序列というよりは担えるタスクの違いが大きい印象です。この試合ではサウダーニャが起用されましたが、山口のスタイルを考えればある程度ボールを握らせて引き込むというイメージがあったのでしょうか。結果的に2点目のシーンは見事にカウンターがハマりました。高木の二試合連続ゴールですが、どちらも裏に抜け出したもので、このポジションにはスピードを求めて采配しているということが見えます。

 

vs大分

この試合ではワントップにチアゴ。田口を休ませて、小林を起用。結果については言及するまでもありませんが、内容面でも、試合を通じて今季ワーストの出来でした。1失点目のシーンについては、高木の戻りが遅かった。映像を見れば明らかなのですが、ディフェンスラインの前に広大なスペースを与えてしまいました。ただ、このあたりのタスクはしっかりと整理されているのでしょうか。終盤の失点ならともかく、前半の序盤です。どうにでも防げた失点でした。2失点目、3失点目は不要なミスの流れから。ゲームを通じてとにかくイージーなミスの多い印象でした。

 

総括

さて、三試合の総括と行きたいところですが、あまりにも大分戦のインパクトが強すぎます。今季のジェフは、いい試合をしたとしても継続性がなさすぎる印象です。尹監督のコメントでは、相手に合わせた選考はしないとありましたが、それが事実であればこの現状も頷けます。そもそも対戦相手はジェフを研究して対策してくるので、それを上回る対策がなければ試合開始から後手に回ってしまっています。実際、大分はしっかりとジェフ対策を打ってきた印象でした。ボールを保持するスタイルそのものは、ジェフにとって分が良い相手なのですが、ショートカウンターに対するネガトラのスピードが凄まじかった。特に、弓場が中盤を完全に制圧していましたね。また、ジェフが保持をしても狭い方にうまく誘導されてしまっていました。熊谷小林のダブルボランチですが、熊谷はどちらかというと狭い局面をグループで打開するのが得意な選手。小林は守備に強みのある選手。狭い局面に誘導されて数的優位を作られあっさり回収される場面が多すぎました。

攻撃については現体制3年目(コーチ陣は2年目ですが)で、選手も多く残っているのにこの状況では正直厳しいです。確かに、ビルドアップが整備されてきてはいますが、その分押し込んだ後の守備が本来の堅固さを失っています。そもそもビルドアップを仕込むのに3季はかけすぎです。尹監督の試合後コメントには正直不信感しかありません。精神論云々については、戦術的な話を全てインタビューでさらけ出すわけにはいかないので悪だとは言い切れませんが、そもそも精神的な部分に原因を押し付けて発信してしまうのは選手を守るという観点から大きな問題なのではないでしょうか。もっと、ピッチ上の現象に目を向けてほしいものです。

 

WEリーグとJリーグの共催が持つ、女子サッカー発展の大きな可能性

東京ヴェルディ戦では史上初めてJとWEリーグが同会場で同日開催されました。昨年開幕した女子プロリーグのWEリーグですが、まだまだ知名度や注目度には発展の余地があります。

試合内容としては、新規のファンを獲得するのに申し分ないものでした。ジェフレディースが2点差から後半に大逆転勝利。この舞台にふさわしい見事な試合を見せてくれました。

 

こうして生まれた新たなファンをどれだけ定着させられるかは今後の課題になりますが、同日開催で間違いなくこれまで以上の注目を集めたと言えるでしょう。この取り組みは、女子サッカー発展の大きなヒントになるはずです。もちろん、単独で集客できるようになるのが理想ですし、今回はJリーグのオマケのように捉えていた人も少なくないかと思います。ただ、入口としては悪くない。むしろ、素晴らしいものでした。これは、前回の記事を書いた後にひっそりとツイートしたことでもあるのですが、プロ野球Jリーグに通づるものがあると思います。プロ野球というのは、Jリーグのライバル的な立ち位置として見られることが多いですが、実際にはその逆であると言えます。確かに、スポーツ観戦をする顧客を奪い合っているとも考えられますが、そもそも日常的にスポーツ観戦をしている人口は非常に少ないのです。その意味で言えば、他分野の娯楽からどれだけ人を引き込めるか。スポーツ観戦そのものに熱中させてしまえば、プロ野球Jリーグも観るようになる人はたくさんいるでしょう。その意味で、Jとプロ野球の関係性について「仲間」だと述べさせてもらいました。ここで本題のWEリーグについてですが、WEリーグとして作っていくべきは、JもWEも観る客ではないでしょうか。Jリーグにもまだまだ発展の余地はありますが、20年以上の年月をかけて培われたJリーグという土壌は非常に豊かなものです。Jリーグが好きなのであれば、潜在的にWEリーグを好きになる可能性も大きい。そこで、Jとの繋がりの中で新規顧客を開拓していけば、いずれ必ずや大きな存在になってくるでしょう。

 

 

選手とサポーターの関係性

本当はこんな章を書きたくはありません。悲しくて仕方がない。

横浜FC戦から歪んだ関係は、またも表象化してしまいました。

選手とサポーターは、お互いにリスペクトがなければならないと思います。あくまで、サポーターがすべきは“サポート”なのですから。

同時に、選手もサポーターに対してあんな姿を見せてはいけない。ファンの存在がなければ成り立たないのがプロスポーツ。必要とされなくなってしまえばそれまでです。気持ちはわかる。だが、堪えなければならない。そんな姿を見て悲しむのは、選手を心から応援している人たちです。そうでない奴を排除するのはクラブでなければならないでしょう。選手が対立するのは絶対にダメです。

さらに言えば、サポーター同士が対立するのもやめましょう。別に、多様な意見があること自体は悪くない。でも、違う意見は敵ではありません。

前回の記事の最後の章をご覧になってない方がいましたら、そちらも是非。個人的な見解です。