KANEKOのジェフ雑談

ジェフを定点観測。戦術的だったり、スポーツ科学的だったり、叙情的だったり。

【ジェフ雑談】2022第3節vsモンテディオ山形

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新型コロナウイルスの陽性判定および濃厚接触者の特定により、苦しい状況に置かれた今週のジェフ。チーム関係者をはじめ、多くの方の尽力により試合開催されたことに、まずは敬意を表したいと思う。

 

今節を前に、前節デビューのDF西久保をU-19日本代表候補キャンプから呼び戻し、U-18所属のDF矢口を2種登録することでなんとか人数を揃えたジェフ。試合前には様々な憶測が飛び交いましたが、先発は前節から4人入れ替え。佐々木、西久保、小島、櫻川がスタメン入り。更にベンチにはGK松原、2種登録されたばかりの矢口、FW佐久間、ブワニカ、川又が今季初めてメンバー入り。文字通り総力戦で山形に挑む。川又は昨季は負傷で一度もベンチ入りがなかったため、サポーターも大いに盛り上がった。結果的に出番は回ってこず、試合前のウォーミングアップの様子からももしかしたら万全ではないのかもしれないが、彼の復帰は明るいニュース。今後の完全復活に期待したい。

 

スタメン発表からは配置が予想しづらく、DAZNでは佐々木がボランチに予想されていたが、守備時の布陣はやや変則的な5-3-1-1か。DFラインは右から西久保、鈴木、新井一、佐々木、福満。中盤はチャンミンギュがアンカーで両脇に小島と見木。最前線にサウダーニャで、その後ろに櫻川。この状況とは言え、櫻川ソロモンをトップ下の位置に配すると誰が予想できただろうか。基本は5-3のブロックを作り、プレッシングの際は見木が前線まで追い、櫻川が相手ボランチ18南を消す役割。右は西久保を押し出して、背後のスペースはアンカーのチャンがカバー。左は福満に任せて、チャンミンギュの運動量とボール奪取力に賭けたプレスを選択。山形はジェフの5-3ブロックに苦戦し、なかなかチャンスを作れない。右サイド24横山は福満佐々木がほぼ完封。前線の10山田が低い位置に降りて、入れ替わったボランチ15藤田らが打開しようと試みるも、中央はチャン、新井一が回収。一方のジェフは奪取からカウンターを狙うも山形CB2山崎、31木村の広範囲のカバーをなかなか破れない。

後半に入り疲労が見えてくると、ジェフはプレッシングを捨て5-3のブロック敷きに専念。山形は保持しながらもなかなかブロックの内側に侵入できず。ジェフは交代カードを篠原、ブワニカ、風間、矢口と切り、若手を含めたチーム全員の力で守りきり。最終的には本職はFWの篠原をアンカーに配置するスクランブル状態となったが、最後まで決定機を作らせることなくスコアレスドロー。苦しいチーム状況の中、大きな勝点1を獲得。山形にとっては歯痒い試合となった。

 

苦しい状況での試合を強いられることになってしまったが、若手が多く出場機会を得て、一定の働きをしたのは怪我の功名とでも言うべきだろうか。特に、前節琉球戦の後半から出場してJデビューを飾ったばかりのDF西久保は、フクアリデビュー戦で大きな存在感とポテンシャルを示した。右サイドの空中戦では圧倒し、前半には福満のサイドチェンジを見事なトラップで収めてからの股抜きグラウンダークロス。攻撃面での見事なアイデアを示すと、ロングスローも抜群の飛距離でチャンスを生み出した。前節も気になった点として、守備時の判断についてはまだまだ課題が残るように感じるが、プロの舞台で経験を積むことで改善されていくだろう。

FW篠原も、前節同様短い出場時間ではあったものの、サイドでの力強さや技術の高さを発揮。ブワニカは昨年7月以来の公式戦出場となったが、高い身体能力と独特なリズムのドリブルを披露。2種登録の17歳DF矢口は、(おそらく)井出遥也の記録を抜いて、J2リーグ戦でのジェフ史上最年少出場。見事なボール奪取からのドリブルは惜しくもタッチラインを割ってしまったが、Jの舞台で積極性を見せた。

 

MF田口、小林、末吉ら主力候補の選手たちがメンバー外となった中でポテンシャルを示した若手選手たちが今後メンバー争いに食い込み、チーム内の競争を激しいものにしてほしい。

 

また、先週にはFWチアゴ デ レオンソの加入も発表され、サポーターが心待ちにした昇格へのラストピースがついに揃った。新加入の外国籍選手と2種登録のGK三宅を除き、全選手が3節にしてメンバー入りを果たした。チーム内での競争激化が良い影響をもたらしてくれると期待しよう。